飾りの出番は年に一度
盆栽は観賞の時間がある。
室内に入れて飾るのはわずかな時間。
花物でも1週間から10日ほどだろうか。
365日のうち、たった10日ほどの表舞台である。
残りの時間は水をやったり、剪定したり。
花が咲くこの時期を心待ちにする日々が続く。
だからこそ、咲いているこの刹那が楽しくもあり愛おしくもある。
この梅、名を「紅筆」と云う。
つぼみが膨らんでくると紅を付けた筆のように見えることからそう呼ばれているようだ。
名付け親は知らないが、粋な心の持ち主だったのではなかろうか。
咲いている間だけが表舞台。
ほんのわずかな時間だが、これほど和ませてくれるものはない。
待った甲斐があったというもの。
出番が終われば舞台裏に下がる。
次回の出番は一年後。
もう少しだけ花姿を楽しむとしましょう。