自分で作れる小品盆栽
「自分で作れる」というのは小品盆栽の利点でしょう。
大きなものは職人さんが何十年と時間をかけて作るものですが、小さい盆栽であれば安価な素材を数年仕立てるだけで見られるようになります。
仕立てると言っても複雑なものではなく、剪定や植替え、整枝と言った基本作業をやっていくだけです。
早乙女ツツジを例に見てみましょう。
こちらは低価格な素材を小鉢に植え替えたところ。
早乙女ツツジはツツジの園芸種で主に葉を楽しみます。花は滅多に咲くことはありません。細かく密集する小さな葉が特徴で、初夏の初々しい新緑と秋の紅葉はとても風情があります。
一年経った頃。少し葉の量が増えていますね。
植替えはせず同じ鉢に入れたままです。
ここで「整枝」という作業を行います。
不要枝を剪定し、針金をかけて樹形の基本的な形を作ります。
不要な枝を抜いたので(枝の剪定を「抜く」と表現します)、ボリュームが減って寂しくなりましたが…。
半年も経てば、枝葉も増えてご覧の通り。
段々と木の表情が出てきましたね。「懸崖」または「吹き流し」と呼ばれる樹形で、右から強い風を受けて大きく左側へなびいている様子を表しています。
最初の写真からここまでは約2年ほどです。
どうですか?
何十年かかるものとは違い、数年で木が出来て飾れるようになります。それが小品盆栽の大きな魅力です。
少しの手間とわずかな時間で「作る」ことが出来ますよ!