盆栽人は何でも拾う…
ミニ盆栽人は裏庭や道端のものを拾う手癖がある。
習慣となってしまえばこの手癖はもう止まらない。
この悪癖の例を見て頂こう。
庭のサザンカの下に生えていた苗を拾って鉢に植える。
サザンカの生垣の下に生えていたのだから当然サザンカだと思っていたが、花は咲かない実も成らない…。
得体の知れぬものを拾っては鉢に入れてしまう。
何の樹かもわからないのに拾って勝手に喜ぶのだ。
中には狙いを定めて拾うものもある。
実成の秋は種がそこら中に落ちている。
落ち葉や枯れ枝の中から種だけを見極めて拾うという常人離れした技も自然と身に付く。
拾えば拾うほど、盆栽の数も増えていく。
しかし、一度付いた手癖はもはやどうにもならないのだ。
道端でスコップを持ち出してしゃがみこんでは苔を採る。
傍から見ればアヤシイの一言だが、本人は至って本気であり心から楽しんでいる。
「あそこは良く採れるポイントだ」などと自分だけの縄張りすらあったりする。
街や公園、山の中でこういう人を見かけたらそっと見守ってほしいと思います。
「ひょっとしたら盆栽人かも…」とあたたかい目で観察してあげてください。
だって盆栽人は何でも拾ってしまうから…。
そう、「この手が悪いんです。。。」