黒松~それは働く男の味方
「最近の若いヤツは…。」
こんなセリフが多くなってきた盆太。
今の会社も長くなり、現在は中堅の管理職。
ここ最近平成生まれの若い連中に手を焼いている。
そんな盆太が家に帰ると黒松が迎えてくれる。
「いいよなぁ、お前は…。
そこに座ってずっとそのままの姿で。」
盆太は若手に合わせてみたり、時には冷たくしてみたり…。
役職は頂いたものの、はたして自分は務めを果たせているのだろうか。
ベテランの仲間入りをした自分がもっとしっかりしなければと焦る時もある。
そんな世の中にもまれる盆太は、自分の姿とは対照的な黒松に見入る。
そのままの姿。
常緑である黒松は夏でも冬でもいつも変わらない。
「そうか! 変わらぬ姿!」
盆太の心に何かがひらめいた。
「おれがブレなきゃいいんだ。」
無理して若い連中に合わせる必要もないのだ。
「おれの中に筋が通っていればいいんだ。」
先ほどまで悩んでいた盆太の心は吹っ切れたように軽くなった。
明日への希望の光を見出した盆太であった。
「黒松」
それは働く男の味方。