盆栽という趣味を考える(イメージ編)
盆栽が趣味であると言ったら
「若いのに」とか「じーちゃんみたい」と言われることがある。
どうも世間には「波平さん」のイメージが強いようだ。
この古臭くて敷居が高いイメージは盆栽の歴史に起因するものだろう。
古くから盆栽業者は豪商の旦那衆や政治家などを相手に商売をしてきた。彼らの扱う樹は豪快で年代も古く、もちろんお値段も高い。
樹だけでなく展示する時に花台や屏風、掛け軸など使用して形式や格式を重んじる風潮は、一般大衆には近寄りがたいものがあったかもしれない。
しかしながら、旦那衆が値段も見ずに買うような樹だけが盆栽ではない。
この部分が世間のイメージと乖離しているのではないか。
正月用の梅も、春のサツキも立派な盆栽である。モミジを挿し木して、3年、5年と経てばミニ盆栽が出来る。
「植物を育てる」という行為は同じであれど、バラやシャクナゲのような園芸とは離れた世界だと思われているようだ。
水をくれてやり、伸びれば剪定する。バラもシャクナゲもやっていることは同じである。
政治家や旦那衆と競ってもしょうがない。あなたが好きな樹があればそれでいいのだ。
その樹を見て景色が浮かんでくればもう盆栽人である。
春の芽出しや秋の紅葉で心を和ませてくれるのが盆栽である。
と、力説したものの…。
やはり長年に渡って刷り込まれた「波平さん」のイメージは根強いですね。
今度、一鉢手に取ってみて下さい。
正月用の梅でも、春のサツキでもなんでもいいんですよ。
一輪咲けばそんな「古臭いイメージ」は吹っ飛びますから。